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“素人”のためのSOGIEハラスメント被害相談対応ハンドブックをリリースしました!

更新日:2021年10月15日

▼三つ折りハンドブック▼


The SOGIE Harassment Counseling Handbook
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▼概要▼

 一橋大学におけるセクシュアル・ハラスメント、SOGIE・ハラスメントの実態に関する調査としては2017年本学社会学研究科の調査チームが行った「2017年度一橋大学キャンパス内差別実態調査報告書」、また、2020年当団体が行った「一橋大学性暴力及びセクシュアル/SOGIEハラスメント実態調査2020報告書」があります。2020年報告には目を覆いたくなるような多くのSOGIEハラスメント被害に関する生の声があつまりました。


 SOGIE(Sexual Orientation/Gender Identity and Expression)・ハラスメントとは、性的指向または性自認、性表現に関する揶揄や差別のことです。レズビアンやゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーなど(LGBTQ+)の性的マイノリティに対して精神的に苦痛や不快感を与えます。


 この資料の作成に至った経緯に、2017年報告があります。その調査は一橋大学国立キャンパスに通学する学生(学部生4,421人、院生1,721人の計6,142人)を対象に実施したもので、多様な関係の中で生起する差別(性的及び民族的差別)の実態把握を目的に実施されました。

 同報告文書内では、およそ4割の学生がハラスメント被害を報告し、その多くがセクシュアル・ハラスメント、SOGIE・ハラスメントでした。また、性暴力被害も報告されています。それらハラスメントによって心身に不調をきたした学生、課外活動や研究活動に支障がでた学生、大学を辞めることを考えた学生が何人も確認されました。



 

 ではそのハラスメント・差別被害はどう解決されるのか。最も多いのは「何もせず・何もできず」(35%)で、その次に「友人に相談」(17.9%)が続き、ハラスメント相談室への相談はおよそ2.8%でした。

 多くの学生がハラスメント・差別被害に対して泣き寝入りを強いられている実態も悲惨ですが、「友人に相談する」という解決方法が非常に多いのもまた問題です。

 友人同士の相談、換言すれば、「ハラスメント被害相談において素人である人同士」の相談は大変危険です。ハラスメントの2次被害、3次被害を起こしてしまう可能性や、ジェンダー・セクシュアリティに関して言えば、SOGIEに関する機微な個人情報のアウティング(了解しない暴露)に繋がる可能性を潜在的に秘めているからです。取り扱いの難しい個人情報にまつわるハラスメント被害は原則的に専門の相談員が対応することが望ましいです。

 


 ハラスメントや差別被害に関する相談、SOGIEなどの機微な個人情報に関する相談は素人が乗るべきでない。しかし、ハラスメント相談室へ直接訪問することは壁があり、被害者に対する専門相談員への単純な促しは、やはり現実とだいぶ乖離してしまう。また、藁にもすがる思いのハラスメント被害者は、得てして、ハラスメントの2次被害、3次被害やアウティングの危険性等は考えずに友人に相談してしまう。そのような問題意識のもと、このハンドブックを作成しました。このハンドブックはあなたがSOGIE・ハラスメント被害者と専門員の間に立つ際に気をつけるべきことを紹介しています。ぜひ専門相談員との橋渡しとなってください!


 ハンドブックでは、原則専門員への受診の促しを推奨しつつ、友人から相談された時の最も理想的(だと我々が理解している)な環境や対応(カウンセラーが実際に日々の相談対応業務で気をつけていること)を簡単に紹介しています。ハラスメントとは何か、カミングアウトを伴うSOGIEハラスメント被害相談を受けた場合、どうリアクションするべきか、なぜ素人が対応するべきでないのか、ぜひこのハンドブックを通じて一緒に考えていきましょう!ハンドブックはこのページ上部で無料ダウンロードできるようになっています。



*なお、被害に対してなにもできなかった学生のためにLGBTQ+ Bridge NetworkはSeveral Ways to Escape Sexual/SOGIE Harassment~一橋大学でセクシュアル/SOGIEハラから逃げるいくつかの方法~ を用意しています。この資料ではハラスメントに対する自己解決の方法を被害の場面ごとにまとめています。少しでも当てはまりを感じる方は、ぜひご活用ください。



▼参考資料▼

一橋大学社会学研究科「2017年度一橋大学キャンパス内差別実態調査報告書」


LGBTQ+ Bridge Network「一橋大学性暴力及びセクシュアル/SOGIEハラスメント実態調査2020報告書」




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